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猫を抱いて象と泳ぐ

さよなら、アリョーヒン。
読み終えた私は、そう声に出していたかもしれない。

 

IMG_2432.jpg


深い群青のような、あるいは眩しく冴える白の中に仕掛けられた

い糸を道しるべに読み始め、そこから伝わる震えが徐々に大きくなり揺さぶられる。

 

マスターが死んでいくとき、私はすでに物語の中にいた。

アリョーヒンに私の姿は見えなかったろうが私もマスターの不憫に心裂けていた。

リョーヒンは閉ざされた中で生き少年のまま老成した。

それがアリョーヒンの幸せを得る処方箋だった。

 

IMG_2431.jpg

 

静かに、静かに物語は進み気がつくと充満している。

猫を抱いて象と泳ぐの中にいる。
私もチェスの海を泳いでいる。棋譜に沿って奏でられる音楽が聞こえる。

緊迫してそして穏やかだ。


猫と象と、そして鳩。

本を閉じてテーブルの冷めたお茶と少し陰った外の風景を確認してため息をついた。

それは嫌なそれではない。甘く優しい余韻の残るものだ。美しい本に会えてよかった。

さよなら、アリョーヒン。

 

IMG_2611.jpg

 

ねぇねの どくしょかんそうぶんでし。

 

きのうは午後4時すぎにふわふわ大きな雪が降り出しましたが

積もることはありませんでした。やれやれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| マイフェイバリット | 07:48 | comments(8) | - |

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| - | 07:48 | - | - |
Comment
読書感想文、ありがとうございます。
本当にこの作品を気に入っていただけた
ようで、とても嬉しいです。
小川洋子さんの作品を他にも私は読んで
いますが、私にとってはこの作品が群を
抜いていました。
その結末を読んだとき、不思議と「シン」
とした静かな気持ちに私もなりました。
正直言って、お勧めした割には細かなス
トーリーを忘れてしまっているのですが、
読後の気持ち・気分だけは鮮明に覚えて
いるのです。
こういう作品にまた巡り会いたいな、と
思いながら、また次の本を読む日々です。
2019/02/10 5:44 PM, from しのやん
なんだか読んでみたくなりました!

目が悪く(老眼です)なってから活字読むのが億劫になってしまって。
スマホはみるのに。
凛ははさんとしのやんさんの感想を拝見して久しぶりに小説読みたくなりました。近々本屋さんに行ってきます。

そして、しおりは手作りですか?
2019/02/11 6:34 PM, from みっちょん
本屋さんで宣伝してあるどんな広告文より
読みたくなる気持ちにさせる感想文だ!
ちょっとAmazon覗いてこよ(^ ^)

私も老眼突入…
字が小さくて読めなーい!!って謙さんがっ
色々混ざった遠近両用コンタクトで四苦八苦です

凛こさんの毛はレースのように艶やかねぇ
凛ははさんの美しい感想文を読んだあと、
つくづく自分の国語は中2で止まってるんだなぁと
痛感したのであります〜
2019/02/12 10:08 AM, from ミキティ
【しのやんさん】
感想文、お粗末さまでした。
すごくすきな本に会えました。
こちらこそありがとうございました!
小川洋子さんは芥川賞受賞作の「妊娠カレンダー」と
「博士の愛した数式」だけは読みましたが
少なくともたった3作の中では断然ダントツです。
そーですね。
結末のあと、音がなくなりましたね。
深いところをピンポイントで突いてくるお話に巡り会うと
俄然、読みたくなりますねー。

2019/02/13 9:28 AM, from 凛はは
【みっちょんさん】
読んでみてみてー。
アタシも老眼なので、リビングに寝室、仕事部屋と あちこちにメガネ置いてます。
スマホの字も巨大にしてます(笑)。
そして、しおり、、、アタシ残念なひとなんですよー。
こんなの作れませーん。鎌倉TUZURUのものです。

2019/02/13 10:51 AM, from 凛はは
【ミキティさん】
これは感想文としてはいまひとつだけど、
普段 枯れてる泉がじんわり潤うような、静かな衝撃がありますよ。
本来、すきな本をオススメするのは苦手なんだけどね。
アタシ、お菓子の説明文とかコンビニのおにぎりの成分とか
活字は全部読む癖があって、ほんっと字が小さくて読めなーいっ!
コンタクト怖いしー。中近両用使ってます。
凛こは超シルキーなので町でナデナデしてくれたひとはイチコロです(笑)。
毛玉が唯一の難点です。
いえいえいえ、
なんか予告編みたいな文章になっちゃったなー、って反省ちう。

2019/02/13 11:21 AM, from 凛はは
凛ははさん

詩的な美しさに満ちていて、静謐な世界が広がっているなぁという印象の作品でした。
そういう意味で『博士』の作品も好きです。

あとは『ことり』という作品も機会があったらぜひ。

静かな深い余韻のある作品が多いなと感じつつ、同時に、本好きの小川さんならではの、(よい意味で)棘というか毒というか、そんなものが密かに顔をのぞかせてくるような感じも受けます。

自分が好きな作品でも、波長の合う合わないがあるので、仰るとおり人におすすめするのは難しいですけれど、いい作品はやはり誰かにすすめたくなりますね。

あ、凛ははさんと同じく、活字中毒です(^^;
2019/02/14 4:44 PM, from 凛花
【凛花さん】
まず、
アタシは活字中毒じゃないんですよ。
パッケージの裏とかを読まないと気が済まないのは、
ただの癖、みたいなものです。
凛花さんは読書家でいらっしゃるようですが、
アタシは全っ然なので、
読めば読むほど、アタシは読んでないなー、って思う次第です。
これは、全く知らない世界なので、見事に伏線を回収しながら進むお話にただただ圧倒されました。
「ことり」読んでみますね。

2019/02/15 4:04 PM, from 凛はは









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